リノベーションの費用を少しでも抑えたいとき、
施主支給を選択する方もいらっしゃいます。
リノベーションで使うタオル掛けのような小さな金物から、
照明、さらにはキッチンまで、
ネットで購入できます。
ネットで安く手に入れられて良いようですが、
リノベ現場でトラブルが起きやすい要注意ポイントです。
今回は、現場監督の本音として、
「なぜ施主支給は敬遠されがちなのか」
「安くするはずが、なぜ逆に高くなってしまうのか」
というリアルをお話しします。
1. 現場監督のトラブル対応
施主支給と聞くと、
材料だけ施主が用意して、あとは取り付けるだけ
というイメージがあるかもしれません。
しかし、工務店が材料を発注するとき、
現場監督はただ発注連絡をしているわけではありません。
- 本当に図面通りの寸法で施工できるか?(承認図のチェック)
- 付属品や、オプションで必要な部品は揃っているか?
- 現場での取り付け時の注意事項はないか?
- 納品物到着~取付までの確認と指示
こうした見えない確認作業を、
監督は事前に行っています。
施主支給になるとこの確認が抜け落ちてしまい、
現場で「いざ付けようと思ったら付かない!」という事態が発生するのです。
2. 追加費用の発生トラブル
以前、私が担当した現場で、
お客様がネットで購入された「施主支給のシンク(流し台)」がありました。
いざ設置当日
「壁に取り付けるための、専用金具が入っていない……(もしかすると置き型タイプで発注・・・?)」
すでにその日は、シンクを取り付けるための
設備職人さんを手配していました。
しかし部品がないため作業ができず、職人さんは手ぶらで帰ることに。
そして後日、部品が届いてからもう一度来てもらうことになりました。
施主支給品の不備で職人さんをもう一度呼ぶ場合、
その費用(追加の手間賃)は
施主負担になる可能性が高いということです。
コストカットのために支給したのに、これでは本末転倒です・・・。
3. 「商品を受け取るだけ」で現場は大苦戦
ネットで購入した支給品を
「そのまま現場宛てに発送します!」
というお客様が多いのですが、
実はこれも現場を悩ませる原因になります。
工事現場への配送は、通常の宅配便とは勝手がまったく違います。
① 不在で持ち帰られてしまうリスク
普段、工務店が使う建築資材の商社であれば、
不在時でも監督に連絡が入ったり、置き場所が決まっていたりします。
しかし通常の宅配便の場合、
職人さんが10時休憩やお昼ご飯で少し現場を離れたタイミングと重なると、
持ち帰られてしまいます。
もし鍵がかかったオーナー宛てのポストに不在票を入れられてしまうと、
不在票すら見られません。
② 保管スペースと搬入の問題
現場の作業スペースを確保するため、
資材は◯日に搬入するのがベストという計算があります。
しかし支給品は少し余裕をもって現場に届きがちです。
日程に余裕がありすぎると狭い現場で邪魔になってしまい、
工事の足かせになることもあります。
③ 恐怖の「軒先渡し」
フローリングなどの大型資材を支給する場合、
軒先渡しという条件になっていることがよくあります。
これは「トラックから荷物を降ろした場所で引き渡します。
そこから部屋の中までは自分で運んでね」という意味です。
しらずに頼むと、現場は大パニック。
納品日に合わせて、部屋の中まで運ぶ荷揚げ屋さんを手配し、
搬入ルートを指示し、
マンションによっては共用部に傷がつかないように
養生もしなければなりません。
受け取るだけでも、これだけのコストと手配が動いているのです。
4. できれば全て工務店に任せてほしい理由
一番辛いのは、発注ミスや納品ミスがあったとき、
お客様の責任を追求せざるを得ないことです。
ミスで余計な費用が発生してしまうのは、
現場監督としても本当に心苦しく、嬉しくありません。
トラブルを完全に防ぎ、100%の責任を持って引き受けたいからこそ、
工務店としては「できれば全て任せてほしい」というのが本音です。
施主支給が歓迎なケースも!
絶対に施主支給がダメというわけではありません。
過去に担当したお客様で、
海外から個人輸入したおしゃれなアンティークの真鍮フックや、
タオル掛けを支給された方がいました。
一点一点手作りの風合いがある素敵なもので、
こういった「工務店のルートではどうしても購入できない、
こだわり抜いたデザインのもの」に限っては、
支給する価値がとても高いと思います。
施主支給で失敗しないための4つのポイント
もし、どうしても施主支給したいアイテムがある場合は、
以下の4つを工務店へ相談してください。
- そもそも、工務店がそのアイテムの支給を受け入れ可能か?
- 同じものを工務店ルートで購入してもらうことはできないか?
(保証の関係上もその方が安心です) - 在庫、納期、納品方法に問題はないか?
(遅れるリスクはないか) - 「本当に現場に取り付けられるか」を事前に工務店に見てもらったか?
これらを抑えておくだけで、
現場との関係もスムーズになり、
トラブルを未然に防ぐことができます。
素敵なお家づくりを進めていきましょう!

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